岡山大学病院での内科実習(4週間)|海外医学部生が見た日本臨床実習のリアル
ハンガリー国立セゲド大学5年の大島みずきさんが、3年次修了時の夏季内科実習でお世話になった岡山大学病院での体験を綴る実習コラム。海外医学生から見た日本の臨床現場との違いや実習準備のコツ、今後のキャリア展望までを紹介します。
2026年7月13日

普段と違う環境に身を置いたり、新しい人との出会いを通じて、私たちの人生は様々な色に染まっていきます。「もっとこうしておけばよかった」と後悔することもスパイスの一つですが、私の経験が少しでも誰かのためになることを祈っています。
自己紹介・病院紹介
大島 みずき
ハンガリー国立セゲド大学5年生(2025年9月現在)
Acute Care Surgeonを筆頭に、救急科や外科系に憧れがあります🧑⚕️
今回は3年次修了時の夏季内科実習でお世話になった【岡山大学病院】についてお話ししていきます🏥
チャンスをつかむ — 実習先の見つけ方
岡山大学病院はハンガリー医科大学事務局(以下HMU)との提携病院なので、ハンガリーに来ると決めた時から1年次修了時の看護実習, 3年次修了時の内科実習, 4年次修了時の外科実習のいずれかで実習に行くことは決めていました。
提携病院だからこその利点ですが、実習申込みはHMUがサポートしてくれます。例年12月上旬ごろに募集が開始され、4月末〜5月に研修許可が下りることが一般的です。その後は必要な書類の準備やワクチンの接種を進めていきます。
実習先の選び方ですが、その病院を就職先として考えているかはひとまず置いておいて、実習の雰囲気や自分がどんな環境で働きたいのかなどを「考え始めるための機会」として捉え、難しく考えすぎなくていいと思います。まずは実家から近い病院などを実習先の候補としておすすめします。
実際にやってみてわかったこと — 海外と日本の医療の現場の違い
岡山大学病院の内科実習では臨床実習をしている岡山大学の5年生と一緒に病棟を回ります。
病棟実習(問診や身体検査をする(海外学生は見学))を主軸に、講義もしていただけます。私は総合診療科で2週間, 脳神経内科で2週間お世話になりました。それぞれの科の最終日には担当患者さんについてのプレゼンテーションを行います。
ハンガリーでの実習との違いは、学生ひとりもしくは複数人に対して担当患者さんをつけてもらえて、カルテを記入するところまでもさせてもらえるところです。ハンガリーでは基本的にはカルテの記入はしません。
実際にハンガリーの医学部を卒業して岡山大学病院で就職されている先輩もいることから、差別的な対応などは一切なく、むしろ評価されている印象です。
学習面での国内外の差はあまり感じませんでしたが、身体診察に関しては実践・経験不足を痛感しました…。
準備とスキル — 日本実習のためにしておくべきこと
必要書類に関しては、窓口となっている事務の方がお手伝いしてくださると思います。
実習中にわからないことも、一緒に回る5年生の先輩方を頼っていいでしょう。
その前提の上で、英語で学んだことを少しでも日本語で、少なくとも理解、欲を言えばアウトプットできるように予習しておくと実習の質がグッと上がります。
次のステップへ — キャリア・挑戦・そして自分の強み
キャリアの描き方 — 海外医学部から日本で働く選択
私は将来はアメリカやオーストラリアなど、英語で働ける国での就職を考えていますが、いつか日本に戻ってくる日のために日本での初期研修は修了させておくつもりです。
2028年2月(第122回)の国家試験を受験予定で、対策を今学期(5年生前期)からメディックメディアのQAssistで開始しました。同時に、2026年夏(5年次修了時)にUSMLE Step 1の受験を考えているので、UWorldでの対策も始めました。
大学の勉強と並行して進めるにあたって、理解が深まるという利点もありますが、若干範囲がずれていたりなど、微調整が必要な場面も多々あるので、計画的に進めていく必要があります。
ハンガリーはこんな人におすすめ — 向いている人/海外大学出身者の強み
- 英語で医学を学びたい
- 早く医学のための勉強を始めたい
- コツコツ努力をするのに向いている
- 考え方が柔軟で前向きに考えられる
- 医学に対して情熱がある
こんな人はハンガリーを含め、欧州の医学部に向いていると思います。
ハンガリーは日本と同じ6年制。1年次から解剖学が始まるので、アメリカやオーストラリアと比べるとワンステップ早く医学の道のスタート地点に立つことができます。
門戸が開かれているので、あとはひたすら努力あるのみです。色々な背景の人と出会うことができ、将来の可能性も広がります。
目標のために、自分のやりたい領域で努力できることがどれだけ幸せかを体感できます。
これから挑戦する人へ — 経験者からのメッセージ
中高生の皆さん
中学校・高校でしか学べないことがあります。「医師になる」ということは「生涯勉強を続ける」ということだと思います。その下積み期間だと思って、ぜひ今の勉強に向き合ってください。
医学生の皆さん
辛いことも、諦めたくなることもあるでしょう。そんなときは「なぜ医師になりたかったのか」原点回帰してみてください。ステージに合わせて細かい目標を決めてもいいでしょう。私は低学年の頃は「なんとなくこなす」ことをしてしまっていました。何をするにも、明確に目標を持って取り組むことがモチベーションを保ち、より効率的に物事を進める秘訣だと思います。
